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満月

​沈まぬ月

月の動きがはやい夜

僕はベランダで

月の光りはまぶしくて

なぜだか、昔を思い出す

あの時のみんなは旅立った

ここにはもういない

僕は、ひとりぼっちだ

月の動きに誘われて

ベランダに猫

このまま君は逃げ出してしまうのかい?

僕は問いかける

逃げるようなことはしないよ

私も月が見たいだけなんだ

そう、猫は僕に語りかける

ようだった

僕と猫はベランダで

そっと、月を眺める

 

世界には

僕と猫と月だけのような気がした

世界は止まっているのかも

みんなどこへいくんだろう

 

すべてのものは 何かを求めて生きている

すべての先には何があるの?

どこからきたの? どこいくの?

 

僕と月と小さな猫

月の光に魅了され 

答えの出ない 時 を数える

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